■横浜市における景観形成
1.景観計画の区域
景観計画の区域は横浜市全域だが、地区に応じた良好な景観を形成するために制限が適用される地区=「景観推進地区」は、「関内地区」、「みなとみらい21 中央地区」、「みなとみらい21新港地区」、「山手地区」の4か所。
2.良好な景観の形成に関する方針
・3つの意義
良好な景観をつくる意義は次の3つ
Ⅰ 市民生活の質を高める。
Ⅱ 都市に新たな活力を創出する。
Ⅲ 都市コミュニティを育む。
にあると言える。
・目指す景観の将来像テーマ7つ
市民を主役とした地域ごとの景観づくりの取り組みにあたり、目指したい景観の将来像を考える際の基本的な方向性を、
(1) 魅力的な街並みの形成
(2) 快適な歩行者空間の景観形成
(3) 歴史的景観資源の保全と活用による景観形成
(4) 水と緑の保全と活用による景観形成
(5) 屋外広告物の景観的配慮
(6) 生活空間の景観形成
(7) 想像力がかきたてられ、物語性が感じられる景観形成
の7つのテーマとする。
・景観形成に取り組む際の着眼点16
大切にしたい・生かしたい(あるいは改めたい)景観要素や景観形成の方向性を、
① 海と浜からの雄大で重層感のある眺望を確保する。
② 港・都心部に刻まれた開港以来の歴史を生かす。
③ 低地と台地の暮らしをつなぐ坂の魅力を生かす。
④ 広がり・つながりを感じさせる川沿い・河口部の空間を生かす。
⑤ 潤いを感じられる水辺空間をつくる。
⑥ 下町の営みの蓄積・界わい性を生かす。
⑦ 営む人たちの感性がにじみ出た魅力ある商店街をつくる。
⑧ スケールの大きな産業風景を間近に感じる場をつくる。
⑨ 自然の恵みと人の営みでつくられた谷戸と里山の魅力を生かす。
⑩ 村や宿駅時代からの記憶に地域の物語を見いだす。
⑪ 新興住宅地に新たな歴史を積み重ねる。
⑫ まとまった緑の空間を保全する。
⑬ 何気ない生活空間をきれいに保つ。
⑭ 品の良いエレガントなまちをつくる。
⑮ マイナスの景観要素を取り去る。
⑯ 景観の大切さを人々に伝える。
3.景観重要建造物の指定方針
4.景観重要樹木の指定方針
■横浜市全域にかかる行為ごとの景観計画
◇斜面緑地における開発行為に関する景観計画
1.区域は横浜市全域
2.良好な景観の形成に関する方針
斜面緑地は、横浜市の魅力を高める貴重な景観要素であり、その特徴を生かしつつ、良好な街並み景観を形成していくことが求められている。
既に、斜面地における共同住宅の開発制限と景観誘導をはかる「横浜市斜面地における地下室建築物の建築及び開発の制限等に関する条例(以下、「地下室マンション条例」という。)」は制定されているが、さらに戸建て住宅などの開発についても「斜面緑地における開発行為に関する景観計画」による景観形成を図る。
将来にわたり緑の環境を維持するうえでの3つの考え方
Ⅰ 開発行為により生じる法面は、圧迫感が軽減するよう工夫する。
Ⅱ 道路沿いの法の前面を中心に適切な植栽を誘導する。
Ⅲ 本景観計画に定める内容は、都市計画法に基づく開発許可の基準とする。
3.良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項
・制限対象行為
都市計画法の許可を要する500㎡以上の斜面緑地開発で、登記かつ課税地目が「山林」を含む土地
・行為の制限
法の高さの制限
切土又は盛土によって生じる法の高さの最高限度は、法の下端の位置が道路との境界線から水平距離1メートル以内にある場合にあっては3メートルとし、その他の場合にあっては5メートルとすること。(ただし、幅0.5m~1.0mの植栽空地を設けた場合は、高さ5mまで緩和)
・緑化の制限
適切な植栽が行われる土地の面積の開発区域の面積に対する割合の最低限度は、15 パーセントとすること。
つまり、開発区域面積の15%以上を緑化すること(ただし、道路沿いの法の下端に中木を植栽した場合は面積を5倍で算定)
市街化調整区域に居住している者の日常生活に必要な店舗に係る建築行為等については、申請の内容 が次の各項に該当していること。
8 次の区域は申請区域に含まないこと。
(1) 農業振興地域の整備に関する法律(昭和 44 年法律第 58 号)第8条第2項第1号に規定する農用地区域
(2) 森林法(昭和 26 年法律第 249 号)第 25 条第1項若しくは第2項又は第 25 条の2第1項若しくは第2項の規定により指定された保安林
(3) 首都圏近郊緑地保全法(昭和 41 年法律第 101 号)第4条第2項第3号の近郊緑地特別保全地区
(4) 都市緑地法(昭和 48 年法律第 72 号)第 12 条の規定による特別緑地保全地区
(5) 「横浜みどりアップ計画」による保全策を行う地域
都筑魅力アップ協議会